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ガソリン車やディーゼル車のユーザーにとって、身近な存在のガソリンスタンドですが、その歴史はアメリカで1920年頃にできたものが始まりと言われています。
それまでは金属の缶に入れられて一般の小売店などで販売されていたそうですので、給油が楽なガソリンスタンドは人気を呼び、1929年には全米で約300,000軒のガソリンスタンドができたそうです。
日本では戦後のモーターリゼ-ションの普及により、全国各地にガソリンスタンドが開設されて、スタンドの軒数は1994年度には60,421軒とピークに達しています。
今回は、身近なガソリンスタンドについて、最近の動向や意外に知られていない豆知識を中心に、紹介させていただきます。
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このページの目次
ガソリンスタンドの3分の1以上はセルフスタンドです
資源エネルギー庁の発表によると、2021年度の全国でのガソリンスタンドの数は28,475軒と、1994年度ピーク時の半分以下と減少しています。
その理由としては、特石法(特定石油製品輸入暫定措置法)が1996年4月に廃止されたためにガソリンの輸入が解禁されたこと、2011年の「危険物の規制に関する規則」、経営者の高齢化など、様々な要因が考えられるようです。
一方では1998年4月の消防法改正によりセルフスタンドの設置が可能となり、2000年には422軒であったセルフスタンドも、2021年には10,608軒に達しています。
これはガソリンスタンド全体の37.3%にあたり、全体の3分の1以上がセルフスタンドとなっているのが昨今の現況です。
また近年では、EV車(電気自動車)やPHEV車(プラグインハイブリッド車)が増えてきた影響もあって、EV車用の急速充電スタンドは2022年2月には8,000軒(家庭用は除く)を超えるとも言われています。
ガソリンスタンドならではの工夫が数多くあります
スタッフの制服(作業服)にも工夫がされています
ガソリンスタンドに行くとスタッフが迎えてくれますが、私服ではなくお揃いの制服(作業服)や制帽(作業帽)を着用していることがほとんどです。
これは単に見た目のためだけではなく、制服や制帽に静電気の帯電を防止する静電気防止機能がある生地が用いられていることが大きな理由になります。
引火性の強いガソリンを取り扱うので、服装にもしっかり配慮されているようです。
また、靴もオイル缶など重たい物を扱うことがあるので、静電気防止機能がついた安全靴を履くことが一般的になっています。
ガソリンスタンドの床には勾配がつけられている
すでに気づいている方も多いかも知れませんが、ガソリンスタンドの床面には傾斜と排水溝がつけられています。
これは消防法で義務付けられたもので、こぼれたガソリンや軽油を滞留(たいりゅう)させると危険ですので、水で迅速に洗い流して排水溝に流し込むためのものです。
また排水溝に流された水と油は、地下の専用タンクで保管されて、産業廃棄物として処理されています。
計量メーターは7年ごとに検定が必要
ガソリンスタンドで給油をする際に、計量メーターに使用期限ステッカーが貼られていることに、気づかれた方も多いのではないでしょうか?
計量メーターは正確に作動しているか確認のため、7年ごとに検定が必要と法律で定められています。
この検定を受けずに期限切れで使用すると、罰則規定もあるそうです。
セルフスタンドならではの仕組みもあります
給油を開始しても、すぐに燃料が出ない理由
セルフスタンドで給油レバーを操作して給油を開始しても、すぐに燃料が出てこないことがあります。
セルフスタンドでの給油には慣れていないお客さんもいるため、油種を間違えたり、操作を誤ったりすることも起こりがちです。
そのため、給油を開始した際にはお店のスタッフが安全を確認した上で、給油を許可するボタンを押すことで給油がスタートする仕組みになっていますので、スタッフが他のお客さんへ対応している時などには、すぐに給油できないこともあります。
給油が自動停止した際は継ぎ足しが禁止されています
セルフスタンドで給油をしていると、満タン近くになると自動的に給油がストップします。
給油ノズルには先端に小さな空気孔が開いていて、満タンになるとこの穴から空気が入らなくなってセンサーが働き、給油が自動的に停止する仕組みになっているのです。
燃料タンクへの配管の形状や給油ノズルの挿入角度などによっては、満タンになる前に給油が停止してしまうことがありますが、給油が自動停止した後の継ぎ足し給油は禁止されています。
ガソリンスタンドは数々の安全策が施されている
今回は、ガソリンスタンドについて、最近の動向や意外に知られていない豆知識を中心に紹介させていただきました。
ガソリンスタンドは引火性の強いガソリンを扱うことから、施設だけでなく制服や靴まで様々な技術や工夫が用いられています。
また、優れた防火設備を整えていることから、大地震など災害時にも給油ができるだけでなく、避難場所としても活用できる災害時対応型給油所も最近では増えてきているようです。
もしもの時のために、お近くの災害時対応型給油所の位置を確かめておくと、よいかも知れません。
【参考】資源エネルギー庁「令和3年度末揮発油販売業者数及び給油所数を取りまとめました」