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今年も台風シーズンが到来しましたが、今年はエルニーニョ現象による海水温上昇が原因で、超大型の台風が日本に直撃する恐れもあるそうです。
台風によるクルマの被害といえば、大雨による冠水を思い起こされる人が多いかもしれませんが、強風や暴風による飛来物による車の破損なども毎年のように報告されています。
また、強風・暴風時には被害を受けるまでに至らなくても、運転中にはハンドルをとられることだけでなく、クルマのドアの開け閉めが風圧によって困難に感じるドライバーも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、強風・暴風による走行中のクルマへの影響の他、JAF（一般社団法人日本自動車連盟）が以前に行った、強風・暴風時にどこまでクルマのドアを開けて降りられるのかのテスト結果、またクルマを乗り降りする際の注意点を紹介いたします。
台風の強風による走行中のクルマへの影響
気象庁の資料によると、風の強さによる走行中のクルマへの影響としては、平均風速15m（瞬間風速20m）を超える強い風では、高速道路などを運転時に横風に流される感覚が強くなるそうです。
次に平均風速20m（瞬間風速30m）を超える非常に強い風が吹いている中では、通常の速度でのクルマの運転が困難になります。
そして、平均風速25m（瞬間風速40m）を超える猛烈な風が吹いていると、走行中のトラックが横転するなど、クルマを運転するには非常に危険な状態になってしまうようです。
これらのことから、暴風警報が発令されている際には、クルマの運転は極力控えるようにすべきといえるでしょう。
強風・暴風時にクルマから降りられるかのテスト結果
JAFのテストでは、軽ワゴンを使用して運転席の真横と後方から、風速20m/s、30m/s、40m/sの風を当てて、成人男性が降りられるかをテストしました。
風速40m/sではクルマから降りられない
運転席ドアの真横から送風機によって風を当てた際には、風速20m/sと30m/sでは、ドライバーはドアが勢いよく開かないように手で押さえることで、なんとかドアを開けることができました。
しかし風速40m/sでは、ドアに強い風圧がかかり、成人男性でもドアを開けることができないことが今回のテストで判明しています。
ちなみに風速40m/sの風とは、時速に換算すると144km/hに達しますが、人が立って歩くことができないだけでなく、電柱や街灯などが倒れるほどの風圧です。
後方からの風を当てるテストではドアが破損
運転席ドアの後方から風を当てるテストでは、真横から当てた時と同様に風速20m/sと30m/sでは、ドライバーはドアが勢いよく開かないように手で抑えることで開けることはできましたが、風速30m/sでは閉じることが困難になってしまいました。
次に風速40m/sでは、ドアを開けることができたものの、風圧で勢いよく開いてしまい、ドアのヒンジやストッパーが破損して180度近くまで曲がってしまう結果となっています。
実際の道路で横に他のクルマや歩行者などがいることを考えると、風速40m/sの暴風下でドアを開けることは、たいへん危険であるといえるようです。
強風・暴風時にクルマを乗り降りする際の注意点
強風・暴風時に安全にドアを開けるには
台風に限らず風が強い時にクルマから降りる際には、ドアレバーを引きながら少しだけドアを開けて、まずは風の強さや向きを確認することが必要です。
その後、両手でドアをしっかり押さえながら、少しずつドアを開けて最小限の開度でクルマから降りることを心がけましょう。
台風などの際には、風が弱いようでも瞬間的に強い風が吹くことがありますので、慌てて降りようとしないで慎重にゆっくりとドアを開けることがポイントです。
またクルマに乗る際も同様で、ドアノブを引いて少しだけ開けた後は、両手でドアをしっかり押さえて必要最小限の開度でクルマに乗り込んだ後は、迅速にドアを閉めることが必要になります。
子供を乗せる時にはチャイルドロックを活用
JAFが行った今回とは別のテストでは、6歳男児と10歳女児が車内からドアを開ける際に、風速20m/sの風でもドアを押さえることができませんでした。
このことからも、強風・暴風時に子供だけでドアを開けるのは、風圧の影響で困難なことと、もしドアが開いたときには勢いよく開いてしまい、バランスを崩してクルマから転落することや、他の車両や歩行者にドアが当たってしまうことが考えられます。
チャイルドロックを活用して、強風・暴風時に子供が不用意にドアを開けることを防ぎ、子供が乗り降りする際には大人がドアの開け閉めをするようにしましょう。
まとめ
今回は、強風・暴風による走行中のクルマへの影響、JAFが以前に行った、強風・暴風時のテスト結果と、クルマを乗り降りする際の注意点を紹介いたしました。
ここ数年は、毎年のように大型台風の接近や上陸がTVなどの気象情報で取り上げられていますが、風速25m/sを超える暴風時には各鉄道会社や航空会社など、多くの交通機関が運休になってしまいます。
強風・暴風時にやむを得ずクルマを利用する際には、運転だけでなく乗り降りする際にも、細心の注意をはらうことが必要といえるようです。
【参考】
● JAF（一般社団法人日本自動車連盟）「ドアが壊れる！？車や自転車、歩行者への影響は？（JAFユーザーテスト）」
