- 上京時に車はどうする?売却するべきかどうかの判断基準について - 2024年9月27日
- 車売却で契約後に査定額を勝手に減らす業者から身を守る簡単な方法 - 2024年9月19日
- MOTA車買取を使って2日のスピード売却に成功。デメリットは? - 2024年9月5日
ドライバーなら誰もが遭いたくないのが交通事故、警察庁調査によると、2021年の全国の交通事故死者数は2636人でした。
最も交通事故死者数が多かった1970年の16,765人に比べて、大きく減少していることがわかります。
また全死者数のおよそ30%が、乗車中(二輪車・自転車は除く)に亡くなられました。
乗車中の死亡件数も年々減少傾向にありますが、以前に比べて車の安全性が高まってきたことが、大きな理由として考えられます。
車の安全性を高めるために、安全な車体の構造も含む安全装備はなくてはならないものです。
自動車メーカー各社も、独自の技術を生かした様々な安全装備を開発し、PR活動も活発に行われています。
テレビCMや新聞広告などで、目にされた人も多いのではないでしょうか。
近年では車の商品性を高める上でも、安全装備への注力は大きなウエイトを占めています。
今回は、多様化している車の安全装備について、わかりやすく解説していきます。
このページの目次
安全性の技術は、大きく分けると2種類になります
車の安全性は、大きく分けると2つの考え方があります。
1つめは実際に事故が起きた際、ドライバーや他の乗員、歩行者への被害を最小限に抑えるための技術、「パッシブセーフティ(受動的な安全)」と呼ばれるものです。
こちらには比較的古い時期から開発された安全装備が多く、以前は車の安全性を考えるうえで、とても大きなウエイトを占めていました。
また以前は、歩行者に対する配慮はあまりされていませんでしたが、最近では歩行者への衝撃削減の技術も、積極的に開発されています。
例としては、3点式シートベルト、SRSエアバッグなどが、「パッシブセーフティ」に分類されます。
もう1つは、「アクティブセーフティ(能動的な安全)」と呼ばれるもので、衝突などの事故を未然に防ぐことに重点をおいた技術です。
こちらは、「パッシブセーフティ」と比較して、新しい技術も多く見られ、電子制御を使用した安全装備が多いことも特徴です。
例としては、ABSやESC(横滑り防止装置)などが、「アクティブセーフティ」に分類されます。
今回はこの2つの観点から、安全装備を解説していきます。
パッシブセーフティの安全装備
ここでは、「パッシブセーフティ」に該当する安全装備について、代表的なもの4つを解説していきます。
3点式シートベルト
スウェーデンに本社をおく「ボルボ」が、1950年代に開発して市販車に採用した技術です。
それ以前は腰だけを固定する2点式が主流で、胸部や頭部を保護する点では、3点式に劣るものでした。
1960年代には脱着もしやすく肩と腰を固定する3点式が主流になり、現在も採用されている歴史も古い安全装備になります。
衝突安全ボディ
キャビン(乗車スペース)の強度を堅牢(けんろう)化して、車体の前後にクラッシャブルゾーン(衝撃を吸収する部分)を設け、潰れることで衝撃を吸収するボディのことです。
また側面衝突時にドアが圧迫されて、乗員が損傷することから守るため、「サイドインパクトバー」がドア内部に装備されている車もあります。
SRSエアバッグ
衝突した際に、ハンドルやフロントガラスで頭部を損傷しないように、火薬で瞬時に風船をふくらます安全装備です。
通常は運転席と助手席への装備が多いのですが、側面にも装備したカーテン式やサイドエアバッグ付きの車もあります。
最近では運転席に標準装備で付いている車が、ほとんどです。
歩行者傷害低減ボディ
車が歩行者と衝突した際に、車側が衝撃の一部を吸収することで、歩行者のダメージを軽減化する技術です。
ボンネットやバンパーに衝撃吸収する素材や構造、ワイパーを衝撃で脱落させる仕組みなど、メーカーによって様々な技術が開発されています。
アクティブセーフティの安全装備
ここでは、事故を未然に防ぐ「アクティブセーフティ」に該当する安全装備について、代表的なもの3つを解説していきます。
ABS(アンチロック・ブレーキ・システム
雪や雨降りの日などのスリップしやすい路面での運転、ブレーキを踏んだ途端に滑り、ヒヤッとした経験をお持ちの人もおみえでしょう。
ABSは、ブレーキによる車輪のスリップを自動的に検知して、電子制御により「ポンピングブレーキ(小刻みに何度かブレーキをかけること)」をして、スリップを防いでくれる装備です。
登場した頃はオプション扱いの車が多かったのですが、現代では標準装備が義務化されています。
AEBS(自動ブレーキ)
2021年11月以降に発売開始された車には、装備が義務化されています。
歩行者の飛び出しなどでドライバーがブレーキを踏むのが遅れても、ブレーキを自動的に作動させて、衝突前に減速または停止させる装備です。
ESC(横滑り防止装置)
カーブなどを走行中に外側にふくらむなど、車が不安定な挙動をして危険な状況をセンサーが察知して、ブレーキやエンジンの回転数を落とすなど、自動的に制御する装置です。
特に雪道などの滑りやすい路面では、効果を発揮します。
その他、アクセルとブレーキの踏み違いによる、急発進を防止する「急発進抑制装置」なども、最近では注目されています。
安全装備は、あくまでも最終的な切り札です
今回はいくつかの安全装備について解説してきましたが、安全装備は日進月歩で技術が開発されています。
ただし、これらの安全装備はあくまでも、ドライバーがミスをおかした際に、電子制御や機械が修正をしてくれ、身体を守ってくれるものに過ぎません。
また自動運転の技術も進んできましたが、まだほとんどの車はドライバーによる判断やコントロールが必要です。
これらの安全装備が作動する必要がない運転、危険を招かない運転を心掛けていくことが、車の安全な走行を考えるうえでも重要なことでしょう。
最後に、どれだけ技術が進歩しても、ドライバーの責任感が、何にも勝る安全装置であることをお忘れなく。