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若者の車離れが懸念されている自動車業界ですが、高額化している車の購入費用や保有するための税金や車検代、燃料代、保険料などの諸費用などは若年層にとっては重い負担となることもあって、有効な解決策がなかなか見いだせないようです。
今回はソニー損害保険株式会社が毎年実施している、「2023年 20歳のカーライフ意識調査」から、20歳の車にまつわる意識を紹介させていただきます。
なお、今回の調査は2002年4月2日〜2003年4月1日生まれの男女1,000人に、インターネットによる調査を行ったものです。
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運転免許保有率は昨年調査より微増に
「普通自動車運転免許を持っているか?」の質問では、「AT車限定の普通自動車免許を持っている」は44.5%、「マニュアル車も乗れる普通自動車免許を持っている」の回答をした人は16.7%、合わせると運転免許保有率は61.2%になりました。
また「教習所に通っている」、「時期は決まっていないが、取得予定」などの運転免許取得予定の回答を選んだ人は28.6%にのぼっています。
運転免許保有率を過去3年間の調査でみてみると、2021年調査では51.3%、2022年調査では57.2%でしたので、ここ3年間は毎年保有率が上昇傾向にあり、20歳までに運転免許を取得する人が増加しているようです。
自分の車を保有している人は5人に1人でした
半数以上の人が車の購入を希望
「バイクを除いた車の所有について」の質問では、「自分の車を持っている」が19.6%と2021年調査時の14.4%より大幅に増えており、20歳の人の5人に1人がすでに車を所有していることがわかりました。
また、「自分の車を購入する予定がある」が12.0%、「購入する予定はないが、いずれは欲しい」は44.8%で、現在は車を所有していなくてもいずれは所有を希望する人は半数を超える56.8%におよんでいます。
これらの結果を踏まえると、車の所有に肯定的な人は76.4%となりました。
自分の車を持ちたいと思った理由の上位は「車の利便性」
次に車の所有に肯定的な人へ「自分の車を持ちたいと思った理由」についての質問では、「移動が楽だから」の回答が59.0%と最も多い回答でした。
続いて「買い物の際に便利だから」の46.1%、「通勤・通学で必要だから」が33.5%、「レジャー・旅行の際に便利だから」が33.4%と、車を所有する大きな理由としては、車を所有することでの利便性を重視する人が多いようです。
車を持たない人の理由には購入費用の負担が上位に
車の所有を希望しない人へ「自分の車を持ちたいと思わない理由」の質問では、「購入費用を負担に感じるから」が37.3%と最も多く、「車以外の移動手段が充実しており、車に乗る必要性がないから」が28.0%、「交通事故・トラブルを起こしたくないから」が26.7%と続いています。
カーライフにかけられる費用は昨年より増加
車購入の予算上限平均額は200万円超でした
「カーライフに1ヵ月いくらまでならかけられるか」の質問では、2022年調査時の平均15,910円よりも増加して平均17,162円となりました。
また、「車購入時の予算上限額について」の質問では、平均額が201.3万円と2021年調査時の平均180万円よりも購入予算が増加しています。
なお予算上限額の男女別比率では、男性が216.3万円、女性が186.2万円と男女間で30.1万円の差があるようです。
20歳の人が欲しい車種はトヨタの「アクア」がトップ
今回の調査で車の所有に肯定的な754名に「現在欲しい車種」の質問をしたところ、トヨタの「アクア」が16.0%と最も多く、男女とも1位に挙げています。続いて2位がレクサスの13.1%、3位が「BMW」で12.7%、4位が「フォルクスワーゲン」で12.5%、5位がプリウスの10.6%となりました。
この結果からは、国産HEV車の2車種が上位にランクインしており、20歳の若者層もエコや環境への関心が高いことがうかがえます。
若者の車離れは底を打ったか?
今回はソニー損害保険株式会社が毎年実施している、「2023年 20歳のカーライフ意識調査」から、車にまつわる若者の意識を紹介させていただきました。
今回の調査からは、運転免許保有率や車の所有率、購入予算は2021年調査時よりも増加しており、一時期に比べると若者の車離れに一定の歯止めがかかったかのようで、底打ち感があります。
今後は、車本体の価格や税制面の見直しなど、若者が車を所有しやすい環境を作り出していくことが必要ではないでしょうか。
【参考】
● ソニー損害保険株式会社「2023年20歳のカーライフ意識調査」