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VICSが搭載されたカーナビでは、渋滞や交通規制などの情報をリアルタイムに画面や音声で受け取ることができます。
このVICSを運営しているVICSセンター(一般財団法人 道路交通情報通信システムセンター)が、2022年7月4日より新しい交通情報システム「プローブ情報活用サービス」の実証実験を地域限定から全国47都道府県に拡大しました。
今回はVICSについて、プローブ交通情報の概要、VICSの違いを中心に紹介させていただきます。
このページの目次
VICSとは?
従来から渋滞情報や交通規制、駐車場の空き情報などの道路情報を、提供している交通情報システムがVICSです。
VICSは、道路の管理者や警察など各機関などから得た道路の情報を、VICSセンターがFM多重放送やビーコン(高速道路を含む幹線道路上にある交通情報提供システム)を使用して、カーナビなどを通じることで交通情報として提供しています。
また、2015年より渋滞時に迂回路を含む複数ルートの所要時間、プローブ情報を利用した交通状況などの情報提供ができる、VICS WIDEが登場しました。
ただし、VICSは高速道路を含む幹線道路の情報提供が主体のため、地方道などの非幹線道路の情報を提供できないなど、情報の偏りがネックとされています。
プローブ情報活用サービスとは
近年の車には速度計やブレーキ、ワイパーなど、さまざまなセンサーが使用されていますが、これらのセンサーが計測したデーターはカーナビなどを通じて、各自動車メーカーや各カーナビメーカーなどに情報として蓄積されています。
これらの情報はプローブ情報と呼ばれていますが、各メーカー単位でユーザーへの情報提供や新技術の開発のためのデーターなどに活用されていました。
これら各メーカーのプローブ情報とVICSのデーターを束ねることで、交通情報のビッグデーターとして利用するサービスが「プローブ情報活用サービス」になります。
VICSセンターでは2020年4月より、トヨタ、日産、ホンダ、パイオニアと連携して関東1都6県、また2022年1月よりは札幌市周辺、愛知県、大阪府を追加して、「プローブ情報活用サービス」の実証実験を先行して行ってきましたが、前述しましたように7月4日より全国47都道府県に対象地域を拡大しました。
プローブ情報活用サービスでなにが変わるのか
単独のVICSに比べ情報提供される道路長は倍になります
VICSの情報は高速道路や国道など幹線道路のみと限定的でしたが、プローブ情報活用サービスは実際に道路を走行している車から位置や速度、通過時刻などの走行データーをリアルタイムに取得して交通情報として提供するシステムになります。
そのため、市町村道など非幹線道路の交通情報も提供可能になり、従来のVICSでは情報提供できる道路長は75,767kmでしたが、167,784kmと倍以上に増加しているそうです。
また、実際に走行している車からのデーターをリアルタイムに配信できるので、従来のVICSよりも高い精度の情報を得られることも期待できます。
従来のVICS付きカーナビで情報提供を受けられます
今回のプローブ情報活用サービスでの交通情報は、特別に装置の追加や設定などの必要もなく、VICSを搭載しているナビでしたら無料で恩恵を受けることが可能です。
道路渋滞や規制の迂回情報や大雨などの気象情報を利用するには、VICS WIDEに対応するカーナビが必要ですが、従来のVICS付きカーナビでも非幹線道路の渋滞情報などのプローブ情報は表示が可能になっています。
プローブ交通情報の実証実験のまとめ
今回は本年7月4日より全国で開始された、プローブ交通情報の概要、VICSの違いなどを紹介させていただきました。
国土交通省の試算によると、渋滞による年間の経済的損失は12兆円にも及ぶといわれています。
また、CO2の排出量も渋滞の発生により増加することは、疑う余地もありません。
プローブ交通情報が全国で展開されることにより、道路情報の量が増えるだけでなく、より正確で迅速な道路情報の提供が可能になります。
このことにより、事前に迂回する車が増えて渋滞緩和に少しでもつながることに期待しましょう。
今回の記事を最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
【参考】VICSセンター(一般財団法人 道路交通情報通信システムセンター)公式サイト