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自動車盗難の様子をセキュリティカメラで撮影した映像を、TVニユースなどでよく見掛けます。
警察庁の発表では、2022年の自動車盗難は5,734件と2021年の5,182件よりも10%ほどの増加となり、検挙件数は2,612件と2021年の2,556件よりも上回りましたが、検挙率は49.3%と3.7%下がる結果となりました。
また、一般社団法人日本損害保険協会(以後:損害保険協会)が2022年の自動車盗難事故実態調査を行い、2023年3月に調査結果を発表しました。
今回はこの調査結果を中心に、2022年の車両本体の盗難と車上狙いの傾向について紹介いたします。
このページの目次
盗難による保険金支払い件数は2,656件と増加傾向に
損害保険協会の調査は自動車盗難が発生した際に、自動車保険の保険金が支払われた案件を対象に行われました。
2022年の1年間に車両本体の盗難によって保険金が支払われた件数は2,656件と、2021年の2,425件を231件も上回りましたが、1件あたりの保険金支払額は235.4万円と、2022年の236.9万円を下回っています。
また、車上狙いについても2022年は971件と、2021年の931件を40件上回り、1件あたりの保険金支払額は57万円と2021年の49.5万円を上回る結果となりました。
最も自動車盗難が多かった県は?
車両本体の盗難では愛知県が2年連続ワースト1に
車両本体の盗難による保険金支払件数では愛知県が576件と最も多く、全体の21.7%を占めて、2年連続のワースト1になりました。
次に多かったのは大阪府で370件(全体比13.9%)となり、千葉県が296件(全体比11.1%)で3位、埼玉県が233件(全体比8.8%)で4位、茨城県が210件(全体比7.9%)で5位と続いています。
これらのことからワースト上位5府県で全体の63.4%を占めており、車両本体盗難においては都道府県による格差が生じていることがおわかりいただけるでしょう。
車上狙いでは3年連続で大阪府がワースト1に
一方で車上狙いの保険金支払い件数では大阪府が231件と最も多く、全体の23.8%を占めており、3年連続のワースト1になりました。
次に多かったのは愛知県で144件(全体比14.8%)、千葉県が106件(全体比10.9%)で3位、神奈川県が64件(全体比6.6%)で4位、兵庫県53件(全体比5.5%)の5位と続いています。
3車両本体の盗難、車種別では半数以上がトヨタ車の結果に
ランドクルーザーが2年連続のワースト1に
車両本体の盗難による保険金支払件数を車種別にみてみると、トヨタ・ランドクルーザーが450件で全体の16.9%を占めており、2年連続でのワースト1になりました。
続いて多かったのがトヨタ・プリウスで282件(全体比10.6%)と、こちらも2年連続でワースト2位となり、3位はトヨタ・アルファードで184件(全体比6.9%)、4位にレクサスLXの156件(全体比5.9%)、5位にレクサスRXの90件(全体比3.4%)と続いています。
さらに6位から10位にも、6位ハイエース、7位クラウン、8位アクア、9位C-HR、10位レクサスESと、トヨタ車がワースト10を独占して全体比54.7%と半数を超えてしまう結果となりました。
トヨタ車が多い理由としては、海外などの盗難車の買い手市場でトヨタ車の人気が高く、高値で取引されることが一因のようです。
車上狙いが多い車種はプリウスが3年連続でワースト1に
車上狙いによる保険金支払件数を車種別でみてみると、プリウスが135件(全体比13.9%)で最も多く、2位がハイエースの31件(全体比3.2%)、3位がアルファードの28件(全体比2.9%)、4位がランドクルーザーとアクアが同数の26件(全体比2.7%)となっています。
なお、プリウスは登録台数が多いこともあり車上狙いも増加傾向で、2021年の66件に比べて大幅に件数を増やす結果となりました。
まとめ
今回は損害保険協会の調査結果をもとに、2022年の車両本体の盗難と車上狙いの傾向について紹介いたしました。
近年では車両本体の盗難も巧妙化していますので、車から離れる時は施錠だけでなく、エンジンキーを抜いてハンドルを左右どちらかに切るとかかるハンドルロックをかけることを習慣化することが盗難防止の基本といえるようです。
また、リレーアタックが防止できるキーケースや、駐車場へのセキュリティカメラの取付けなど盗難防止策の導入も、車両本体の盗難対策として有効な手段といえます。
その他には車両保険への加入など、実際に被害にあった時の経済的自衛策もとっておくとよいでしょう。
【参考】
● 一般社団法人日本損害保険協会「第24回自動車盗難事故実態調査結果」