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新型コロナウイルスや半導体不足、ウクライナ侵攻など非常に苦しい状況が自動車業界には続いています。
奮闘している国産メーカーは多いですが、実際の数字は芳しくありません。
その中でも日本トップの売上を誇るトヨタは2022年3月期の連結決算で過去最高となる営業収益を達成したことを明らかにしました。
4年ぶりの過去最高収益を達成
トヨタは2022年3月期決算では、売上高31兆3795億円、営業利益2兆9956億円、純利益2兆850億円で過去最高の数値を出したことを発表しました。
前回の最高収益を達成した2016年3月期よりも販売台数も45万台ほど減少し、生産コストが上がった中での最高収益達成になります。
2022年1〜3月期の前期からの増収率は5.5%で苦しい状況下でありながら、しっかりと利益を出していることがわかります。
長年行ってきた原価低減や円安になっている状態がプラスに働き、輸出販売の好調で半導体不足や工場停止などのマイナス面をカバーできたと言えるでしょう。
豊田章男社長の2022年3月期の役員報酬は6億8500万円で前年よりも約2億4千万円増加しています。
喜ぶ間もなく対策が必要か
以前のトヨタは円高などの影響を受けやすく、いつ赤字に転落するかわからない不安定さがありました。
しかし、レース活動をTOYOTAGAZOO Racingに一本化、事業部門ごとに独立させるカンパニー制を導入するなどして企業改革を行い、効率的に利益を出せる仕組みを整えてきました。
生産台数が下がっても利益を維持している結果を見ると企業体質改善に成功したと言えるでしょう。
厳しい状況下での最高収益達成に繋がりましたが、半導体を始めとした原材料の不足や値段の高騰や中国のロックダウン、コロナウイルスによる工場停止もあり、生産台数を安定させれない状態にあります。
4〜6月期の生産計画を3月に下方修正しており、生産体制を正常化させるのに苦戦していることが伺えます。
世界的なインフレが続く中で、安定した生産と値段を維持できるかで、経営陣の手腕が問われるでしょう。
試行錯誤が続くか
どの業界も厳しい状況が続く中で最高収益を達成するのは、トヨタが長年かけて推し進めてきた施策の成果が出ていると感じますね。
しばらくは安心できる状態ではありませんが、どのような方法でインフレや原材料不足を乗り切るのか注目しましょう。