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道路への積雪や凍結が心配なこの時期、積雪地だけでなく太平洋側の降雪が少ない地域でも、急な坂道や橋の上などでは凍結防止剤が散布されます。
ところが凍結防止剤は、車や道路設備の金属に付着すると、錆(さび)を発生させてしまう厄介なものです。
11月21日に中日本高速道路(NEXCO中日本)が、富山県立大学、札幌市立大学と共同開発してきた新しい凍結防止剤を、今冬より北陸自動車道(白山IC~金沢森本IC)や東海北陸自動車道(白川郷IC~小矢部砺波JCT)で導入すると発表しました。
今回は、この新しい凍結防止剤の紹介と、凍結防止剤が散布された道路を走行後の洗車で気をつけたい点ついて紹介させていただきます。
このページの目次
従来の凍結防止剤は塩化カルシウムが主成分
従来から使用されている凍結防止剤の成分は、主成分となる塩化カルシウムの他に、塩化ナトリウムや塩化マグネシウムも使用されています。
凍結防止剤は白い粒状ですが、道路に散布することで水に混ざることで、氷や雪が水に変わる融点が下がるため、0℃以下に温度が下がっても一定の温度までは道路が凍りつくことを防ぐことが可能です。
ただし、成分が塩分となることから、金属部分に付着すると錆によって腐食させてしまいます。
また、皮膚に付着すると炎症を引き起こしますので、素手で触らないなどの注意も必要です。
新しい凍結防止剤の概要
凍結防止剤の散布増加が開発背景に
1993年頃にスパイクタイヤの使用が制限されて以来、道路の凍結や積雪防止の塩化ナトリウムを原料とする凍結防止剤の散布量が年々増加しています。
それに伴って、橋梁などの道路設備が塩害により劣化するケースも増え、劣化抑制に有効な凍結防止剤が求められていました。
そこで、塩化ナトリウムに、金属腐食抑制効果があるプロピオン酸ナトリウムを混合させたものが検討され、試験散布などを行い検証を重ねてきたそうです。
コストは高いが長期間で回収可能
ところが、プロピオン酸ナトリウムはとても高価なため、従来の凍結防止剤のように大量に散布するのにはコストがかかり過ぎます。
そこで、塩化ナトリウム9:プロピオン酸ナトリウムを1の重量比で混ぜたものを使用したもので検証したところ、周囲の環境や車の走行安全性にも影響がなく、金属腐食抑止効果もあることが試験散布で判明しました。
また、橋梁が多い区間に散布した場合の100年間のライフサイクルコスト(凍結防止剤の散布コストおよび鉄筋腐食による構造物の補修費用)では、従来の凍結防止剤に比べて、10%のコスト低減が見込めるそうです。
凍結防止剤が散布された道路の走行後は?
車の下回りは入念に洗車が必要
前述しましたように凍結防止剤は金属を錆させて腐食させることから、走行後は車に凍結防止剤が固着しないうちに、早めの洗車が必要になります。
可能であれば高圧洗浄機などを用いて、ボディの下回りやタイヤ、ホイールを中心に付着した凍結防止剤をしっかりと洗い流しましょう。
とくにマフラー部分は熱で固着していることも多いので、洗車後に洗い残しがないか入念にチェックしておきたいものです。
なお、洗車の際には、手や足などに凍結防止剤が付着しないように、手袋と長靴を着用することをおすすめします。
下部洗浄付き洗車機も有効
寒さが厳しい時期だけに手洗いは無理という人には、数百円の追加料金で、車の足回りなどの洗浄も可能な下部洗浄付き洗車機を利用するのもよいでしょう。
短時間で車全体が洗えますので、急いでいる時などには便利です。
まとめ
今回は、NEXCO中日本が導入する新しい凍結防止剤の紹介と、凍結防止剤が散布された道路を走行後の洗車についてを紹介させていただきました。
道路設備や車を錆びさせない凍結防止剤の導入は、積雪地だけでなく冬場の凍てつきが心配な地域の人にとっては、うれしいニュースだと思われます。
今後はより幅広い地域で、導入が図られることに期待したいものです。
【参考】
● NEXCO中日本ニュースリリース「構造物の長寿命化を目指し、さびにくい新たな凍結防止剤を導入 ~ライフサイクルコストを約10%低減し、安全性向上に寄与~」