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自動車保険の保険料は等級によっても割増しや割引きが行われますが、保険金の請求が保険期間中に無ければ翌年に等級は1つ上がり、事故などで保険金を請求した際には翌年から等級は最大3つ下がり保険料が高くなります。
このように6等級の人が最大の割引を受けようとしても、無事故で10年以上の年月が必要です。
ところで、等級は現在契約中の保険会社から別の保険会社に変更しても、原則的には引き継げることは皆さんご存じかと思われますが、一定の条件を満たせば配偶者や家族にも等級を引き継ぐことが可能なのです。
そこで今回は、自動車保険の等級の仕組みと引継ぎについての解説と、家族間の等級引継ぎを利用したお得になる方法を紹介いたします。
このページの目次
自動車保険の等級制度について
一般的な自動車保険は一部の共済を除き1~20までの等級がありますが、初めて自動車保険を契約した際には6等級(セカンドカー割引適用時は7等級)からスタートとなります。
また、保険金を請求することで次の更新時に最大3等級下がりますが、すべての事故で等級が下がるわけではありません。
例えば、人身傷害のみ支払い時や故障によるロードサービスのみ利用時などはノーカウント事故(無事故と同じ扱い)、窓ガラス破損や盗難などは1等級のみ下がるなど、保険金請求をした事由によって扱いが異なります。
その他にも、7~20等級には直近の事故をカウントする「事故有係数」がありますが、これは等級が下がる事故があった場合には、等級が下がる数に応じた年数は割引率が下げられる制度です。
等級の引継ぎについて
加入先によっては等級が引き継げないことも
自動車保険の加入先を保険の更新時などに変更しようとした際、損害保険会社間であれば、基本的には等級の引継ぎは可能です。
ただし、一部の共済は保険会社によっては、等級を引き継ぐことができない場合もあります。
JA共済や全労済、全国自動車共済、全日本火災共済など多くの共済では損害保険会社と等級情報交換制度を行っていることから等級の引継ぎは可能ですが、教職員共済や自治労共済、トラック共済などでは、損害保険会社への等級の引継ぎができないケースもありますので、あらかじめ確認しておくことが必要です。
契約解除された場合は等級引継ぎが不可なことも
事故件数を偽るなど重要な事項を保険会社に故意に告げない告知義務違反を起こして自動車保険を解除された場合は、等級の引継ぎができない場合もあります。
また自動車保険の解約または契約満了から8日以上が経ってしまうと、中断証明書を発行していない場合は等級を引き継ぐことができません。
同居なら親子で等級の引継ぎが可能
自動車保険では、配偶者や同居の子供、親族(6親等内の血族または3親等内の姻族)であれば、同一生計や扶養に関係なく記名被保険者の変更による等級の引継ぎができます。
この際の注意点としては、配偶者は同居・別居に関係なく等級を引き継ぐことができますが、進学などのため別居している子供は住民票を移していなくても等級を引き継ぐことができません。
また、自動車保険に加入している家族が亡くなった場合も、家族間での引継ぎと同様に配偶者や同居の親族であれば等級を引き継ぐことができます。
等級の引継ぎで保険料の総額を下げられることも
子供が車を購入した際には保険料の大幅な節約も
親と同居する子供が運転免許を取得して車を新たに購入した際には、新規に自動車保険に加入すると、等級による割引も効かないため、一般的に年齢が若いほど自動車保険の保険料は高額になります。
そこで親の自動車保険の等級による割引率が高くなっているのであれば、子供に等級を引き継がせることでトータルでの保険料を下げることも可能です。
親から子供へ等級を引き継ぐ際の手順と注意点
手順の概要は、下記のような感じになります。
- 親の自動車保険を子供の車に車両入替および記名被保険者を子供に変更
- 子供は親の等級を引き継ぐ
- 親は新規に自動車保険に加入する(6等級または7等級からスタート)
この際の注意点としては、子供は必ず同居をしている必要がありますので、進学や就職など別居の予定がある場合は、その前に手続きを完了させることが必要となります。
また、子供に等級を引き継いだ後は無保険になりますので、親の自動車保険への新規加入は同時に行うことが必要です。
なお、セカンドカー割引を利用すれば親の新規契約は7等級からスタートできますが、子供の自動車保険が11等級以上であることが条件になります。
まとめ
今回は、自動車保険の等級の仕組みと引継ぎについての解説と、家族間の等級引継ぎを利用したお得になる方法を紹介いたしました。
自動車保険の等級は保険料の割引に大きく関わることから、引継ぎ制度を利用することで保険料の節約ができることをお分かりいただけたかと思います。
なお、等級の引継ぎを行う際には、保険会社によって取り扱いが異なる場合もありますので、必ず事前に保険会社または代理店にご相談ください。
【参考】
● 三井住友海上火災保険株式会社「自動車保険の等級は引き継ぎ可能?条件や家族間でお得な方法を解説」